岩谷 卓 〈 いわや すぐる 〉

 

 

 

岩谷様

経済産業省 商務情報政策局 課長補佐

2008年修士課程修了

 

 


私は、2006年に物理学科に進学し、2008年に大学院の修士課程を卒業しました。

物理学科及び修士課程を選んだのは、まず、小さい頃から科学図鑑などを見ていたこともあり、物理学をきちんと大学で学びたいと思いが強かったです。もうひとつは、研究(特に、物理の分野は血がにじむような努力が要る?)を通じて、考える力やチームで協力して物事を進める力を身につけたいと思ったからです。
修士課程では、佐野先生の研究室に在籍し、非線形物理の観点から、細胞が移動する際に吸着面に与える力の場を測定し、細胞運動のパターンやメカニズムを研究していました。パリの大学との共同研究でもあったため、英語でのやりとりや先方の来日のタイミングに合わせて、実験成果を揃えるなど、楽しかっただけでなく、距離や言葉の壁を越えてプロジェクトを進めたことは、いい経験になりました。

大学院卒業後は、研究を産業や社会に還元していくことに興味を持ち、経済産業省に入省しました。知識の面では、半導体、放射線、統計やプログラミングなどなど局面ごとにこれまでの大学での知見が生きることがありましたが、何より、研究を通じて養った、新しい分野へのチャレンジ精神に加え、データに基づきロジックを構築していく考え方、タイムマネジメント、チームでの仕事の進め方といった実践的な能力が自分の基礎になっていることを、職務経験を通じてじわじわと実感しています。

研究とは異分野のキャリアを選択した身として振り返って、物理学科・物理学専攻は研究の道だけでないキャリアにとっても有益な機会を与えてくれる環境と思います。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加