東京大学理学部物理学科・大学院理学系研究科物理学専攻
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2011 年度 大学院 講義内容一覧

科目名 科目番号 学年 担当教員
流体物理学 603-0003 大学院授業 半場藤弘
[講義題目]
流体物理学 -乱流の物理とモデリング-

[授業の目標・概要]
乱流は自然界や工学などさまざま分野の流れで見られる現象であり、実効的な粘性率や拡散率が大きくなり輸送や混合が増大することが乱流の特徴である。いかにしてこの乱流粘性率などの輸送係数を平均場を用いて記述するか、そして閉じた方程式系を得るかが乱流研究の重要な課題となる。理想化された一様等方乱流において流れの構造や統計を考察する基礎的な研究と、実在の非一様乱流において乱流効果をモデル化し流速を予測する応用的な研究とがあるが、本講義では前者で得られた知見や手法を後者のモデル化に役立てるという立場から、非一様乱流の物理とモデリングについて解説する。特にエネルギーの流れや輸送係数のさまざまな表式に着目する。また大気境界層の乱流中の熱と物質の輸送、電磁流体乱流のダイナモ効果についても紹介する。

1. 乱流とは
2. 流体運動の基礎方程式
3. 乱流の輸送方程式
4. 一様等方乱流
5. 非一様乱流
6. 非一様乱流の統計理論
7. 大気境界層中のスカラー輸送
8. 電磁流体乱流とダイナモ効果

[授業のキーワード]
乱流,乱流モデル

[授業の方法]
板書、要約資料、プロジェクターを用いる。

[成績評価方法]
「レポート」で行う。

素粒子物理学II 603-0010 大学院授業 浅井祥仁
[講義題目]
素粒子物理学II (素粒子物理の基礎)

[授業の目標・概要]
前半は、素粒子の基礎となる対称性やDirac方程式など学び 後半は、素粒子実験における検出器の基礎をやって、 実験データを多用しながら、量子電磁気学(QED),弱い相互作用まで学ぶ。

[授業のキーワード]
対称性,Dirac方程式,検出器,QED,弱い相互作用,ゲージ原理

[授業計画]
・対称性(連続・不連続)
・クォーク、
・Dirac方程式とスピン、
・ゲージ原理、
・検出器の基礎
・ファイマン図、
・電磁相互作用(簡単な計算の仕方)
・弱い相互作用とCPのやぶれ

[授業の方法]
スライド、板書による講義 (学部4年生と共通講義)

[成績評価方法]
複数回のレポートと、期末試験を行う。

[参考書]
(1) クォークとレプトン—現代素粒子物理学入門  培風館 F. ハルツェン、A.D. マーチン (日本語は絶版、英語可能)  (2) An Introduction to the Standard Model of Particles Physics 2nd.Cambridge W.N.Cottingham & D.A. Greenwood(初版は日本語訳あり) (3) 高エネルギー物理学の基礎 I,II 朝倉書店 長島順清 (4) ゲージ理論入門 講談社 エイスチン・ヘイ (5) Introduction to High Energy Physics, 4th. Cambridge, Perkins

[履修上の注意]
学部で「素粒子物理学」の単位をすでに取得していれば履修不可

[関連ホームページ]
http://www.icepp.s.u-tokyo.ac.jp/~asai/

素粒子物理学 603-0011 大学院授業 小林富雄,森 俊則
[講義題目]
素粒子物理学の標準理論と最先端の研究

[授業の目標・概要]
素粒子物理学の標準理論について、その確立に寄与した実験データを通して理解を深め、さらに標準理論を超えるより基本的な原理・法則を探る最先端の研究について学ぶ。

[授業のキーワード]
Standard Model,Electroweak theory,Higgs boson,Supersymmetry,Grand Unified Theory,LHC

[授業計画]
前半の講義において重要な実験結果を通して標準理論について理解し、後半では現行の最先端の研究を通して標準理論を超える新しい物理の可能性について学ぶ。
・量子色力学(QCD)
・電弱統一理論
・ヒッグス機構
・小林益川行列とCPの破れ
・ニュートリノ物理
・大統一理論
・超対称性理論
・レプトンフレーバー物理
・LHCでの新物理探索
・素粒子物理と宇宙

[授業の方法]
板書、プロジェクタを用いて行う。適宜資料を配付する。資料等の配付にはウェブページも活用する。

[成績評価方法]
毎授業後に課す簡単なレポートと最終レポートによって評価を行う。

[履修上の注意]
素粒子・原子核物理学II(2010年度授業科目)または素粒子物理学II(2011年度冬学期授業科目)相当の講義を予め履修していること。

[関連ホームページ]
http://www.icepp.s.u-tokyo.ac.jp/~mori/lecture/pp3/

粒子加速器 603-0017 大学院授業 斎藤健治
[講義題目] 粒子加速器入門

[授業の目標・概要]
粒子加速器は原子核物理、高エネルギー物理の実験的研究にとって不可欠の装置であるだけでなく、放射光応用や癌治療など医学分野への応用が急速に進展している。他方、粒子加速器内でのビーム力学を多層的、学際的に研究する学問分野、ビーム物理という研究分野が拓けつつある。本講義では、シンクロトロンやサイクロトロンのような円型加速器におけるビーム物理工学について述べる。円型加速器での粒子軌道理論について講義する他、超伝導・常伝導電磁石、高周波共振器などの工学的テーマについても講義する。

[授業のキーワード]
粒子加速器、円型加速器、ビーム物理工学、粒子軌道理論、工学的テーマ

[授業計画]
1 加速器の歴史と概要
2 古典的サイクロトロン、弱収束、ベータトロン振動、チューン
3 AVFサイクロトロン(cosθ 磁場型)、強収束
4 横方向のビーム運動学(運動方程式、転送行列、周期解とTwiss パラメータ)
5 横方向のビーム運動学(ベータトロン振動の安定性、リューヴィルの定理、不変量、FODO セル)
6 AVFサイクロトロン(階段関数磁場型)、リングサイクロトロン
7 横方向のビーム運動学(分散、チューンシフト、クロマティシティ)
8 縦方向のビーム運動学(位相安定性、シンクロトロン振動)
9 断熱減衰、共鳴(整数共鳴、半整数共鳴、結合共鳴)
10 マシンパラメータの測定法、ビーム入射・取出し
11 空間電荷効果、ルミノシティー、ビーム冷却、放射光
12 電磁石
13 超伝導電磁石
14 高周波(導波管、共振器)
15 高周波(分布定数回路、λ/4同軸型共振器)

[成績評価方法]
「レポートおよび出席点」で行う。

原子核物理学II 603-0019 大学院授業 櫻井博儀
[講義題目]
原子核物理学/原子核物理学

[授業の目標・概要]
原子核物理学の概説。
核構造・反応を理解するための基本的な考え方を学ぶ。
1.原子核の大きさと密度
2.原子核の質量と遷移
3.フェルミガスと平均ポテンシャル
4.調和振動子模型と魔法数
5.殻模型
6.核力の基礎
7.原子核に於けるアイソスピン対称性
8.集団運動
9.核分裂、核融合、放射線

[授業のキーワード]
原子核

[授業計画]
板書と印刷資料

[授業の方法]
板書と印刷資料

[成績評価方法]
レポート

[履修上の注意]
学部で「原子核物理学」をすでに取得していれば履修不可

原子核物理学III 603-0020 大学院授業 下浦 享,久保野茂
[講義題目]
原子核物理学III

[授業の目標・概要]
原子核の殻構造や飽和性などの基本的な性質と核力との関連、および集団運動の様相について理解する。また原子核反応過程の特徴を学び、実験研究の基礎を確立する。それらに基づき、最近の実験で不安定原子核で見られる新たな現象を俯瞰し、核構造および核力の最先端研究に触れるとともに、宇宙における核現象と観測および地上実験の現状を概観する。

[授業のキーワード]
Nuclear Force,Shell Structure,Collective Motion,Nuclear Reaction,Exotic Nuclei,Nuclei in the Universe

[授業計画]
(1) Introduction / 序
(2) Nucelar Force and Stability of Nuclei / 核力と原子核の安定性
(3) Saturation Properties in Nuclei / 原子核の飽和性
(4) Shell Structure and Collective Motion / 殻構造と集団運動
(5) Nuclear Reaction / 原子核反応過程
(6) Structure and Reaction of Unstable Nuclei / 不安定原子核の構造と反応
(7) Nuclear Physics in Universe / 宇宙環境下の核物理
(8) Evolution of Universe and Nuclear Synthesis / 宇宙の進化と元素合成過程

[授業の方法]
スライドおよび板書による講義を行い、随時宿題を出す。

[成績評価方法]
宿題およびレポートによる。

[参考書]
S. Wong, Introductory Nuclear Physics, Wiley-Interscience
C.E. Rolfs and W.S. Rondney, Cauldrons in the Cosmos, The University of Chicago Press

物性物理学III 603-0028 大学院授業 高田康民
[講義題目]
物性物理学

[授業の目標・概要]
これは物性物理学の上級コースの講義であり、グリーン関数法を主たる手段として、物性理論における重要概念を多体問題の見地から統一的に解説する。

[授業のキーワード]
ランダウのフェルミ流体理論、BCS理論、多体効果、Landau’s Fermi-liquid theory、BCS

[授業計画]
第1週:グリーン関数法:定義と有限サイト系での例
第2週:NFE近似:固体電子論の自由電子描像アプローチ
第3週:Tight-Binding近似:バンド描像からボンド描像へ
第4週:電子ガス:その多体問題と熱力学的性質
第5週:電子ガスの動的応答:誘電関数と密度及びスピン応答
第6週:ランダウのフェルミ流体理論:構築と応用
第7週:固体電子の動的応答:ラッティンジャー流体といろいろな絶縁体
第8週:断熱近似とその限界:電子運動と原子核運動の分離
第9週:格子力学:断熱近似を越えて
第10週:電子フォノン複合系:ポーラロンとバイポーラロン
第11週:BCS理論の基礎:熱力学的性質
第12週:BCS超伝導体における各種応答関数
第13週:ギンツブルグ・ランダウ理論 :導出と応用
第14週:エキゾチック超伝導体
第15週:超伝導の微視的理論:超伝導転移温度の高精度計算

[授業の方法]
毎週、上に示すようなメインテーマで講義する。各回は独立に聴講できるが、全ての講義を聴講することで固体中の多体効果について統一的な理解が得られるような構成になっている。

[成績評価方法]
毎週、メインテーマに関連したレポート問題を幾つか課す。各レポート問題には難易度に応じて1から3のポイントを付ける。合計5ポイント以上のレポート提出(8月31日締め切り)で講義の単位を認定する。成績評価はレポート解答の数と質を総合的に判断して行う。

[教科書]
講義は自己充足型にするので、教科書は特に指定しない。

[参考書]
前半の7つの講義では、拙著「朝倉物理学大系9:多体問題」および「朝倉物理学大系15:多体問題特論」が参考になる。後半では、J. R. Schrieffer著「Theory of Superconductivity」(Benjamin, 1964)を勧める。

[履修上の注意]
毎回、講義資料は水曜日夕方までにホームページ上にpdfファイルとして(初回以外はパスワード付きで)アップロードする。

[関連ホームページ]
http://takada.issp.u-tokyo.ac.jp/

半導体 603-0029 大学院授業 秋山英文,勝本信吾
[講義題目]
半導体

[授業の目標・概要]
最も先鋭的な現代基礎物理学の対象でありながら,産業の「米」として熾烈な研究開発,ビジネス戦争の中心に位置し続けているのが半導体である.固体物理学では明確に定義することができないにも関わらず,ありとあらゆる物理現象のショーケースであり,半導体の中には万華鏡のような宇宙が広がっている.この講義では,この宇宙での探検を楽しみ,またこれを使いこなして社会生活の役に立つ魔法を手に入れるための基礎的な事項について(それはいずれも大変に地味なものだが),先端のトピックスを交えて解説する.

項目:
1)結晶構造とへテロ構造
2)結晶成長とプロセス
3)バンド構造
4)光学的性質
5)ドーピングと接合
6)半導体光デバイス
7)半導体電子デバイス
8)量子輸送の基礎
9)量子ホール効果
10)アンダーソン局在,メゾスコピック系
11)スピン物性
12)ディラック電子,トポロジカル絶縁体

[授業のキーワード]
半導体, 光, 輸送, 物性, デバイス, 量子

[授業計画]
2名の教員が前半と後半を分担する

[授業の方法]
板書およびプロジェクタを用いた通常の講義形式

[成績評価方法]
レポートもしくは筆記試験

光物性物理学 603-0035 大学院授業 島野亮,松田巌
[講義題目]
光物性物理学

[授業の目標・概要]
光(電磁波)を物質に照射すると吸収、発光、散乱(回折)などの物理現象が起こる。これらの光学現象は、光の波長に応じて物質の電子状態、スピン、格子構造についての情報を様々に反映する。さらには光と物質の相互作用の結果として新しい物質相が形成される場合もある。レーザーや加速器によるコヒーレントかつ高輝度の光源は年々進歩し、広い光子エネルギー範囲での分光研究は物性科学に大きな進展をもたらしている。本講義ではまず、光と物質の相互作用の基礎理論を説明し、赤外線からX線までの光に対する物質の応答を先端分光研究を紹介しながら系統的に解説する。

(内容)
1.物質中の電磁気学
反射、吸収、伝搬など
2.光と物質の相互作用の基礎
3.可視光から遠赤外領域の光物性
半導体の光学応答、金属の光学応答、
自発的対称性の破れと光物性、各種素励起 
4.真空紫外からX線領域の光物性: 光電子分光、X線吸収、X線発光など
5.バンド構造の直接観測

[授業の方法]
講義形式

[成績評価方法]
「レポート」で行う。

統計物理学 603-0038 大学院授業 川島直輝
[講義題目]
統計物理学

[授業の目標・概要]
物質は一見すると実に多様な現象を示すが,相転移近傍,とくに臨界現象においては,普遍的な振る舞いが観測される.統計物理学は,ミクロな相互作用から出発してこれを理解しようとする理論体系であるが,そこで明らかになるのは,現実に観測される臨界現象が極度に簡単化し
たモデルで実現するものと本質的に同じになることである.これは臨界現象の普遍性が微視的な相互作用の詳細に依存していないことを示すものである.自然界を支配する相互作用法則自体に普遍性を追求するのが素粒子物理学であるとすれば,相互作用の種類にすら依存しない普遍
性を追及するのが統計物理学であるともいえる.本講義では,臨界現象を系統的に扱う代表的手法である繰り込み群とスケーリングの考え方,BKT転移など特徴的な臨界現象のいくつか,さらに相転移現象の研究に重要な役割を果たしてきたモンテカルロ法など計算物性物理の代表
的手法を紹介をする.

[授業計画]
第 1回 さまざまな統計力学的物理系とモデル
第 2回 変分原理と平均場近似
第 3回 実空間繰り込み
第 4回 繰り込み群の一般論
第 5回 クロスオーバと有限サイズスケーリング
第 6回 摂動論的繰り込み群
第 7回 演算子積展開
第 8回 異方性の効果
第 9回 2次元XYモデルとBKT転移(1)
第10回 2次元XYモデルとBKT転移(2)
第11回 量子臨界現象
第12回 非平衡統計力学(1)
第13回 非平衡統計力学(2)
第14回 最近のトピックス(1)
第15回 最近のトピックス(2)

[授業の方法]
通常の講義形式

[成績評価方法]
講義期間中合計5回程度出題するレポート課題による

[参考書]
"Scaling and Renormalization in Statistical Physics" by John Cardy, Cambridge

統計力学I 603-0039 大学院授業 押川正毅
[講義題目]
統計力学I

[授業の目標・概要]
多数の構成要素が相互作用する系は、相転移を起こすことがある。
とくに、2次相転移近傍の臨界現象は、長距離の相関が発達する顕著な現象であり、個々の要素に着目した描像では理解が困難である。一方、臨界現象には、系の詳細によらず多くの系のふるまいが同一となる、普遍性が見られる。この普遍性のために、現実の複雑な系における臨界現象を、同じ臨界現象を示す簡単なモデルによって調べることができる。普遍性を理解するための概念として、また具体的な計算にも有用な枠組みとして、くりこみ群がある。
講義は、くりこみ群に基づく現代的な統計力学と臨界現象の基礎の理解を目標とする。これは、将来より進んだ物性物理学・統計力学におけるトピックスを理解するための基盤ともなる。

[授業のキーワード]
相転移, ギンツブルグ・ランダウ理論, 平均場, 臨界現象, 線形応答, 揺動散逸定理

[授業計画]
第 1回 統計力学: 現象とモデル
第 2回 相転移と平均場近似
第 3回 転送行列と1次元イジングモデル
第 4回 ゆらぎと相関関数
第 5回 スケーリング則と臨界指数
第 6回 くりこみ群の一般論
第 7回 実空間くりこみ群
第 8回 中間試験
第 9回 イジングモデルとΦ4理論
第10回 演算子積展開
第11回 2次元イジングモデル
第12回 揺動散逸定理と線形応答
第13回 非平衡統計力学とランジュバン方程式
第14回 最近のトピックス
第15回 期末試験

[授業の方法]
板書による講義を中心とする。トピックスによってプロジェクタを補助的に併用する。

[成績評価方法]
授業ごとの宿題と、試験による

[教科書]
西森秀稔 「相転移・臨界現象の統計物理学」 (培風館 新物理学シリーズ35)

[参考書]
J. Cardy "Scaling and Renormalization in Statistical Physics",
Cambridge University Press
N. Goldenfeld "Lectures on Phase Transitions and the Renormalization
Group", Westview Press
H. Nishimori and G. Ortiz, "Elements of Phase Transitions and Critical
Phenomena", Oxford University Press

[履修上の注意]
物理学専攻の大学院講義に関するルールの例外として、本基礎的講義は
日本語で行われます。

学部で2010年度以前の「統計力学II」の単位をすでに取得していれば履修不可

[関連ホームページ]
http://oshikawa.issp.u-tokyo.ac.jp/

化学物理学I 603-0045 大学院授業 山本智
[授業の目標・概要]
これまで習得した物理学の知識をもとに、原子・分子とその集合体の電子状態と構造を概観する。また、それらの分光学的研究の初歩について述べる。

[授業の方法]
板書を中心とした古典的スタイル。図表について資料を配布。

[成績評価方法]
レポート(中間、期末)

[履修上の注意]
学部で「化学物理学」の単位をすでに取得していれば履修不可

生物物理学II 603-0051 大学院授業 樋口,野口,北尾
[授業の目標・概要]
生体を構成する基本要素である蛋白質、生体膜の物理を講義する。蛋白質は生命現象を維持するための様々な生体内反応を制御している。蛋白質の立体構造形成から機能原理までを理解することを目標に、立体構造決定の方法から、立体構造データベースの解析・シミュレーションによる機能解析とデザインについて解説する。 一方、生体膜は脂質や蛋白質から成り、細胞及び細胞小器官をおおっているが、非常に柔らかく動的に大きく変形をする。熱力学などを用いてこの膜を物理的にどう理解できるか解説する。 以下のような内容を予定している。 1. 蛋白質及び膜の生物物理学とは 2. 蛋白質立体構造決定の方法 3. 蛋白質のダイナミクスと折れ畳み 4. 蛋白質のシミュレーションとデザイン 5. 生体膜の構造と機能 6. 膜曲面の熱力学 7. 膜の相転移 8. 赤血球のダイナミクス

[授業のキーワード]
生物物理学, タンパク質, 細胞膜

[授業の方法]
講義:板書、印刷資料、プロジェクターによる資料などを適宜用いる

[成績評価方法]
レポート提出

[参考書]
1. B. Alberts, 他著、「Molecular Biology of The Cell」、Garland (日本語訳: 中村他訳「細胞の分子生物学」、ニュートンプレス) 2. David Whitford著、「Proteins structure and function」、 John Wiley & Sons 3. Michel Daune著、「Molecular Biophysics. Structure in motion」、 OXFORD University Press 4. S. A. Safran著、「Statistical Thermodynamics of Surfaces, Interfaces, and Membranes, Westview Press (日本語訳:好村滋行訳、「コロイドの物理学吉岡書店)

表面物理学 603-0057 大学院授業 長谷川修司,小森文夫
[講義題目]
表面物理学

[授業の目標・概要]
固体物理の知識を前提にして、固体表面の物理を、基礎概念から最新のトピックスを交えて解説する。 1. 概論: 表面科学とは、歴史、表面科学とナノテクノロジー 2. 表面の原子配列: 表面再構成・緩和,回折法、顕微鏡法、動的過程 3. 表面電子状態: 表面状態、(逆)光電子分光法、トンネル分光法、電子エネルギー損失分光 4. 走査プローブ顕微鏡: 原理,表面構造観察、局所電子状態・表面バンドの観測,原子マニピュレーション 5. 表面電子輸送: 表面空間電荷層,表面電子バンド 6. 表面超薄膜磁性: 強磁性相転移、スピン分解光電子分光、磁気カー効果、近藤効果、磁性超薄膜成長

[授業のキーワード]
表面物理, 表面物性, 薄膜物理

[授業計画]
前半の講義を長谷川が担当し、後半を小森が担当する。

[授業の方法]
講義形式。随時、小テストを交える。

[成績評価方法]
成績評価は教場試験、小テスト、および期末試験で行う。

[参考書]
長谷川修司「見えないものをみる―ナノワールドと量子力学―」(東京大学出版会,2008年)

[履修上の注意]
固体物理学の基礎知識を前提とする。
 また、学部での「物性物理学特論」の単位をすでに取得していれば履修不可

極限量子構造汎論 603-0060 大学院授業 平野哲文,浜垣秀樹
[講義題目]
極限量子構造汎論II

[授業の目標・概要]
After general introduction to hadron physics, the phase transition of the hadronic matter to the quark-gluon plasma will be discussed from theoretical and experimental points of view.

[授業のキーワード]
Hadron, quark gluon plasma, relativistic heavy ion collision

[授業計画]
[1] Introduction to hadron physics
[2] Basic features of the quantum chromodynamics
(QCD)
[3] QCD phase transition at extreme conditions
[4] Relativistic ideal/viscous hydrodynamics
[5] Transport theory for QGP
[6] QGP in relativistic heavy ion collisions
[7] Space-time description of the heavy ion
collisions
[8] Observable and signatures of the QCD phase
transition
[9] Relativistic heavy ion collider and detector
systems
[10] Recent experimental data

[1]-[5] T. Hirano, [6]-[10] H. Hamagaki

[授業の方法]
板書、プロジェクターを併用して行う

[成績評価方法]
「レポート」で行う。

非平衡科学 603-0073 大学院授業 佐野雅己
[講義題目]
非平衡科学

[授業の目標・概要]
This course will present an introduction to nonequilibrium science. The topics include recent progress in nonequilibrium statistical mechanics, nonlinear dynamics, and pattern formation in systems out of equilibrium.

[授業のキーワード]
Nonequilibrium Statistical Mechanics, Nonlinear Dynamics, Chaos, Fluctuation Theorem,Jarzynski equation

[授業計画]
Part I -Nonlinear Dynamics

(1) Topological Dynamics
Dynamical Systems and Flow
Bifurcation Theory
Limit Cycle and Flow on the Circle
(2) Chaos
Transition to Chaos
One Dimensional Map
Strange Attractors, Fractals
Statistical Mechanics of Chaos
(3)Spatially Extended Systems
Reaction Diffusion Systems
TDGL equation

Part II - Nonequilibrium statistical mechanics

(1) Classical theories
Boltzmann equation
the Einstein relation and the experiment by Perin
Langevin equation
Green-Kubo relation
(2) Recent progress: fluctuation theorems
Jarzynski equality
Fluctuation theorem
Related experiments
[授業の方法]
Prints, Blackboard demonstration, and Projector

[成績評価方法]
Report

物質科学 603-0074 大学院授業 藤森 淳,鹿野田一司
[講義題目]
物質科学

[授業の目標・概要]
物性物理学の基礎から最近の発展まで,実際の物質に即して説明する.

[授業計画]
I.d電子系
1.遷移金属イオンの電子構造
2.結晶構造とバンド構造
3.モット絶縁体
4.金属-絶縁体転移
5.高温超伝導
6.巨大磁気抵抗
II.p電子系
1.炭素系物質とその電子構造
2.電荷移動錯体とその電子構造
3.モット転移
4.電荷秩序転移
5.中性-イオン性転移

[授業の方法]
パワーポイントを用いた講義

[成績評価方法]
「出席およびレポート」で行う

[参考書]
藤森 淳「強相関物質の基礎」内田老鶴圃

計算物理学 603-0075 大学院授業 杉野修,伊藤伸泰
[授業の目標・概要]
理論、実験に並ぶ第3の研究手法として急成長を続ける計算物理学的手法の基礎と現状を解説する。今年度はとくに物性物理学研究における下記2分野を取り上げ,1週間交代で講義を行う予定である。
1 第一原理に基づく電子状態計算と構造シミュレーション(担当:杉野修)
1.1 ハートリーフォック理論と密度行列
1.2 密度汎関数理論と密度応答
1.3 波動関数の表現と計算手法
1.4 電子状態計算プログラム
2 モンテカルロ法による強相関多体系のシミュレーション (担当:藤堂眞治)
2.1 マルコフ連鎖モンテカルロ
2.2 有限サイズスケーリングによる相転移現象の解析
2.3 クラスターアルゴリズム
2.4 拡張アンサンブル法
2.5 経路積分と世界線量子モンテカルロ法
2.6 フェルミ粒子系に対する量子モンテカルロ法

[授業のキーワード]
計算物理学, 密度汎関数理論, 第一原理分子動力学法, マルコフ連鎖モンテカルロ, 量子モンテカルロ法

[授業計画]
物性物理では10の23乗にも及ぶ自由度の下で初めて発現するような、種々の量子(あるいは古典)協力現象 を対象とする。研究にはシミュレーションが極めて有効であり、その手法は計算機の発展と共に急速に進化を遂げている。それを利活用するには、シミュレー ションの多様な姿を知り、それぞれの手法が根ざす多体問題等の理論を学ぶ必要がある。これら必要な情報や知識を、計算の実践(レポート)も含めて、学べる ように授業を行う。授業は1,2のトピックを1週間交代で行う。

[授業の方法]
授業ではまず、基礎的な多体理論から計算するのに有効なアルゴリズムまで解説する。計算物理ではシミュレーションを行ってみるということも習得のための重要なステップであるので、簡単な課題に対してそれを実践することも併せて行う。板書、印刷資料、プロジェクターによる資料などを適宜用いる。

[成績評価方法]
数回のレポート

[参考書]
"Electronic Structure -- Basic Theory and Practical Methods" by R. Martin, Cambridge 2004
"Density Functional Theory of Atoms and Molecules" by R. G. Parr and W. Yang Oxford 1994

[履修上の注意]
レポート作成には実際のシミュレーション実行が必要なのでPC, MAC, Linux等の計算機環境が必要。

[関連ホームページ]
http://todo.ap.t.u-tokyo.ac.jp/lectures/2010w-compphys

素粒子原子核実験学 603-0076 大学院授業 坂本宏,井手口栄治
[講義題目]
素粒子原子核実験学

[授業の目標・概要]
素粒子・原子核物理学実験の基礎を放射線と物質との相互作用から検出器の原理、データ収集の方法までを講義する。ビームを用いた検出器テスト実験を独力で立案できる能力を身につける。 主な項目・誤差と統計処理の方法・粒子と物質の相互作用・断面積と崩壊率・加速器・粒子検出器・アナログ・ディジタル回路・AD変換・計算機・データ収集システム・実験の実際

[授業のキーワード]
加速器実験, 検出器, 電子回路, 放射線, 統計処理, データ収集

[授業計画]
主な項目
・誤差と統計処理の方法
・粒子と物質の相互作用
・断面積と崩壊率
・加速器
・粒子検出器
・アナログ・ディジタル回路
・AD変換
・計算機
・データ収集システム
・実験の実際

[授業の方法]
主に前半を井手口が、後半を坂本が担当。パワーポイントファイルを中心に解説。ファイルは事前に教員のWEBページに掲示

[成績評価方法]
レポートにより評価

[教科書]
必要ない

[参考書]
必要に応じ授業内で提示

[履修上の注意]
ノートパソコン持ち込み可
[関連ホームページ]
http://www.icepp.s.u-tokyo.ac.jp/~sakamoto/education/
http://www.cns.s.u-tokyo.ac.jp/~ideguchi/education/

量子情報物理 603-0079 大学院授業 古澤明
[講義題目]
量子情報物理

[授業の目標・概要]
量子情報科学に於ける物理的側面について量子光学的アプローチを用いて解説する。

[授業のキーワード]
量子情報, 量子光学, 量子テレポーテーション

[授業計画]
1. 量子情報とは
1-1 量子ビットと連続量
1-2 量子ゲートおよび量子回路
2. 量子光学と量子情報物理
2-1 光の量子性・放射場の量子化
2-2 放射場の量子状態(量子回路への入力状態)
2-3 量子状態の可視化(Wigner関数)
2-4 量子光学的に可能となるユニタリー変換(ビームスプリッターなど)
2-5 量子エンタングルメント
3. 量子テレポーテーションと量子情報処理
3-1 量子テレポーテーションとは
3-2 オフライン量子情報処理
3-3 量子クラスター状態を用いたone-way量子情報処理

[授業の方法]
講義形式

[成績評価方法]
「レポート」により評価を行う。

[教科書]
古澤 明:量子光学と量子情報物理(数理工学社)

ソフトマター科学 603-0080 大学院授業 土井正男
[講義題目]
ソフトマター物理学

[授業の目標・概要]
ソフトマターとは、高分子、コロイド、液晶、界面活性剤、など大きくて複雑な構成要素からなる物質である。ソフトマターを理解するには、部分平衡状態、粗視化、相転移、揺らぎ、非平衡現象、自己組織化、非線形物理など進んだ統計力学の知識が必要である。本講義では、ソフトマターの物性を解説する中で、具体例を通してこれらの概念を説明する。1.ソフトマターとは2.溶液とコロイド分散系3. 高分子、ゲル4.液晶5.揺らぎと応答6.ソフトマターの物質拡散7.ソフトマターの流動

[授業の方法]
板書、プロジェクターを用いる。

[成績評価方法]
「レポート」で行う。

[教科書]
「ソフトマター物理学入門」土井正男 岩波k書店 2010

[関連ホームページ]
http://rheo.t.u-tokyo.ac.jp/~doi

科学英語演習I(物理・天文) 603-0083 大学院授業 相原博昭
[講義題目]
How to Survive - and Succeed - in Our English-speaking Scientific World

[授業の目標・概要]
Like it or not, English is currently the common language of science in general, and physics in specific. In order to succeed in the modern physics world a good grasp of English is essential, as is having confidence in yourself and your ideas. This class will teach you how to avoid common English writing, speaking, and presentation mistakes. It will also teach you how to give a memorable talk, make a powerful poster presentation, write a good paper, get your paper published in a top journal, and interact effectively with your international colleagues at conferences. Learn to stop worrying about your English, and learn to start enjoying being a physicist!

[授業のキーワード]
English, Physics, International, Science, Public Speaking, Writing

[授業計画]
Monday 5th period 16:30-18:00

[授業の方法]
Lively PowerPoint-based lectures, augmented by plentiful video clips, will use real-life examples and stories drawn from many years of experience in the international physics world to keep this unusual class both entertaining and informative.

[成績評価方法]
Attendance (50%), plus a final exam (50%)

[教科書]
None

[参考書]
some may be suggested during lectures

[履修上の注意]
None

[その他]
PROFESSOR BIO: Prof. Mark Vagins received his B.S. from the California Institute of Technology and his Ph.D. in particle physics from Yale University. He is currently a professor at the University of Tokyo’s Institute for the Physics and Mathematics of the Universe, and is one of the central participants in the Super-Kamiokande experiment in Gifu-ken. When not hunting supernova neutrinos he enjoys scuba diving, flying ultra-light aircraft, zip-lining through jungles, eating raw pufferfish, walking on active lava flows, loitering in high radiation areas, public speaking, and other life-threatening activities.

宇宙論 603-0087 大学院授業 吉田直紀
[講義題目]
宇宙の構造形成

[授業の目標・概要]
銀河やブラックホール、大規模構造など、宇宙の構造形成について
最新の観測結果を交えて解説する。

[授業計画]
現在の宇宙および遠方宇宙の観測の概要からはじめ、標準宇宙モデル、初期密度揺らぎの生成進化、宇宙の大規模構造の形成を解説する。
次に星や銀河、ブラックホールの形成を、その基礎物理過程を学びながら理解する。暗黒物質の性質や宇宙論的シミュレーションなど、関連する事柄も合わせて紹介していく。

[授業の方法]
板書、印刷資料、スライドを適宜用いる。

[成績評価方法]
毎回の講義での出席を兼ねたクイズ(簡単なテスト)、中間レポートおよび最終課題

[教科書]
Modern Cosmology, Scott Dodelson, Academic Press

[参考書]
Galaxy Formation and Evolution, Mo, van den Bosch and White,
Cambridge University Press

[関連ホームページ]
http://member.ipmu.jp/naoki.yoshida/Lectures/course.html

サブアトミック物理学 603-0088 大学院授業 早野龍五
[講義題目]
サブアトミック物理学

[授業の目標・概要]
サブアトミック物理,すなわち,原子核物理と素粒子物理の入門的な講義であり,学部・大学院の共通講義として開講する.原子核の大局的性質から順次小さな長さスケールに論を進め,強い相互作用,弱い相互作用の基礎に触れながら,素粒子の標準模型を概観するに至る.加速器や測定器など,サブアトミック物理に必須の道具立てについても触れる.講義のレベルは下記の参考書の前半部分程度.

[授業のキーワード]
introductory nuclear physics, introductory particle physics, the standard model, experimental methods

[授業計画]
1. 原子核の大局的性質
2. 原子核の安定性
3. 原子核による電子の散乱
4. 原子核の形状
5. 核子による弾性散乱
6. 深部非弾性散乱
7. クォーク,グルオンと強い相互作用
8. 弱い相互作用の現象論
9. 標準模型
10 加速器
11. 放射線と物質の相互作用
12. 検出器

[授業の方法]
講義資料を配布.スライドと板書を併用する.

[成績評価方法]
大学院生にはほぼ毎週レポートを課す.最後に試験を行う.
学部生はレポート提出は任意.最後に試験を行う.

[参考書]
Subatomic Physics (Ernest M. Henley, Alejandro Garcia) ISBN-13: 978-9812700568
ないしは
Particles and Nuclei: An Introduction to the Physical Concepts (Bogdan Povh, Klaus Rith, Christoph Scholz, Frank Zetsche) ISBN-13: 978-3540793670

[履修上の注意]
学部生は3年の現代実験物理学IIを履修していることが望ましい.
4年生の時に「素粒子・原子核物理学I, II」を履修した院生は,この講義を取る必要は無い.

[その他]
講義は日本語で行うが,この講義を履修する大学院生に,日本語を解さない学生がいる場合には英語を併用するなどの措置を取る.

物性物理学I 603-0089 大学院授業 榊原俊郎
[授業の目標・概要]
固体物理学の基礎の講義。固体の示す様々な性質や現象を紹介し、その原理について解説する。
1.格子振動と比熱
2.金属・半導体の電子状態
3.金属の輸送現象
4.磁性
5.超伝導

[授業計画]
1.格子振動と比熱
 ・音響フォノン、光学フォノン
 ・格子比熱のアインシュタインモデルとデバイモデル
2.金属・半導体の電子状態
 ・バンド構造、フェルミ面
 ・バンド電子の動力学
 ・金属のフェルミ面の観測
3.金属の輸送現象
 ・ドルーデモデル
 ・ホール効果
 ・磁気抵抗
 ・光学的性質
4.磁性
 ・反磁性
 ・原子分子の固有磁気モーメント
 ・交換相互作用
 ・磁気秩序
 ・スピン波
5.超伝導
 ・実験事実
 ・超伝導転移の熱力学
 ・ロンドン方程式
 ・第一種超伝導と第二種超伝導
 ・磁束の量子化
 ・ジョセフソン効果

[授業の方法]
講義形式:板書、印刷資料、プロジェクターによる資料などを適宜用いる。

[成績評価方法]
出席およびレポート(数回)

[参考書]
C. Kittel: Introduction to Solid State Physics
N.W. Ashcroft and N.D. Mermin: Solid State Physics

[履修上の注意]
学部で「固体物理学II]の単位をすでに取得していれば履修不可

電子回路論 603-0090 大学院授業 坪野公夫
[講義題目]
Electronics

[授業の目標・概要]
実験で電子回路を扱う際に必要となる基礎知識について解説する。

[授業計画]
講義の内容としては、以下のような項目を予定している。

1. 線形応答系
2. 伝達関数
3. 信号と雑音の処理
4. 回路の安定性
5. デジタル信号処理
6. z変換とデジタルフィルター

[授業の方法]
講義形式

[成績評価方法]
学期末の筆記試験による。

[履修上の注意]
学部で「電子回路論」の単位をすでに取得していれば履修不可

プラズマ物理学 603-0091 大学院授業 牧島一夫
[講義題目]
プラズマ物理学

[授業の目標・概要]
宇宙に存在するバリオン物質の大部分は、高温で希薄な電離気体、すなわちプラズマ状態にあり、中性気体とは大きく異なる挙動を示す。プラズマの最大の特徴は、その各部が電磁場と強く相互作用するとともに、自ら大域的な電磁場を作り出し、長距離の相互作用を行なうことである。その結果、プラズマでは部分と全体が強く結合し、自発的な構造形成や、熱平衡から外れた進化をすることが多い。講義ではこうしたプラズマの基本概念を説明するとともに、宇宙プラズマのさまざまな例と話題を紹介する。
1. プラズマ物理学の意義
2. 単一荷電粒子の運動
3. プラズマの運動方程式
4. プラズマ平衡と安定性
5. プラズマ中の波動
6. 宇宙プラズマ
7. 長距離相互作用と自発的な構造形成

[授業の方法]
講義形式

[成績評価方法]
複数回のレポートと宿題

[教科書]
使用せず

[参考書]
Lyman Spitzer, Jr. "Physics of Fully Ionized Gases" (Dover Publications)
和訳(絶版):「完全電離気体の物理」(コロナ社、1963)

[履修上の注意]
学部4年生以上対象
学部で「プラジマ物理学」の単位をすでに取得していれば履修不可

宇宙物理学 603-0092 大学院授業 須藤 靖
[講義題目]
宇宙物理学

[授業の目標・概要]
微視的物理学が巨視的な天体現象を支配していることを、自然界と宇宙の階層という観点から考察する。

[授業のキーワード]
自然界の階層, 恒星の物理, 宇宙論

[授業計画]
主なトピックとして以下を予定している。
自然界のスケール、宇宙の階層構造、物理法則と天体、恒星、コンパクト天体、銀河と銀河団、宇宙論

[授業の方法]
板書

[成績評価方法]
中間レポート(あるいは中間試験)及び期末試験による

[参考書]
須藤靖: 『ものの大きさ:自然の階層・宇宙の階層』 (東大出版会,2006)
松原隆彦: 『現代宇宙論』 (東大出版会,2010)

[履修上の注意]
講義は日本語で行う。
また、学部で「宇宙物理学」の単位をすでに取得していれば履修不可

[関連ホームページ]
http://www-utap.phys.s.u-tokyo.ac.jp/~kashiwagi/ap11

一般相対論 603-0093 大学院授業 横山順一
[講義題目]
一般相対性理論

[授業の目標・概要]
アインシュタインの一般相対性理論がいかにして導入され、どのような結論を導くかを理解すること。

[授業のキーワード]
重力, アインシュタイン方程式, ブラックホール, 重力波, 宇宙論, テンソル計算

[授業計画]
予定される目次は以下の通りであるが一部入れ替えがあるかもしれない。
0 序論
1 特殊相対性理論のおさらい
2 等価原理と一般相対性原理
3 数学的準備
4 重力場の方程式
5 ブラックホール
6 宇宙論への応用
7 重力波

[授業の方法]
板書による講義

[成績評価方法]
レポートと試験を併用する予定である。

[教科書]
特に用いない。

[参考書]
各自が図書館や書肆にて気に入ったものを選べばよいのだが、東大物理学科の学生としては、ランダウ・リフシッツ「場の古典論」あたりまで取り組んでほしいと思う。その他の参考書は講義中に推薦する。また、一般相対論は教科書を読んでもなかなか身につかないので、演習問題に取り組むことが重要である。Lightmanらによる"Problem Book in Relativity and Gravitation" (Princeton University Press)を推奨する。

[履修上の注意]
解析力学、電磁気学、特殊相対性理論に関する知識を前提とする。
 また、大学院講義「一般相対論特論」または学部で「一般相対論」の単位をすでに取得していれば履修不可

[関連ホームページ]
http://www.resceu.s.u-tokyo.ac.jp/~yokoyama/

[その他]
居室は理学部4号館1625号室です。お気軽にお越しください。

素粒子論 603-0094 大学院授業 堀 健太朗
[講義題目]
素粒子論

[授業の目標・概要]
ゲージ場の量子論についての講義。詳細は開講時までにコースホームページで公表するが、
(i) くりこみ、くりこみ群、共形場の理論、(ii) 超対称ゲージ理論、(iii) 古典解(平坦解、インスタントン、ソリトン、ヴォーテックス等)とその役割、などから選んで解説する。

[授業の方法]
講義形式:黒板を使用

[成績評価方法]
レポートによる。

[関連ホームページ]
http://member.ipmu.jp/kentaro.hori/Courses/EPP/

素粒子論特論 603-0095 大学院授業 菊川芳夫
[授業の目標・概要]
場の量子論 I レベルの基本事項(量子化の方法, 経路積分, 摂動論, 繰り込み,ゲージ理論とその量子化)の理解を前提に, さらに進んだ内容やトピック的な内容を幾つか取り上げて論ずる.具体的内容は開講時に説明するが,

1. Wilson繰り込み群と連続極限, 格子(ゲージ)理論
2. 非可換ゲージ対称性と閉じ込め
3. Chiral対称性, Gauge対称性の自発的破れ, Higgs機構
4. Chiral anomaly, Gauge anomaly, フェルミオン数非保存過程
5. QCD, Electroweak Theory における有限温度相転移

などを取り上げる予定である.

[授業のキーワード]
場の量子論, 素粒子標準模型, ゲージ理論, カイラル対称性, ゲージ対称性

[授業の方法]
講義形式.
総合文化研究科広域科学専攻相関基礎科学系の「場の量子論II」との合併講義である.場所は駒場キャンパス16号館827教室,時間は10:40〜12:10にて行われる.

[成績評価方法]
レポートによる.

[参考書]
参考文献
1. K.G. Wilson and J. Kogut, Phys. Rept. 12 (1974) 75
2. M.E. Peskin and D.V. Schroeder, An Introduction to Quantum Field Theory, Addison-Wesley
3. 新編 物理学論文選集 70 「ゲージ理論」(日本物理学会)
4. 新編 物理学論文選集 80 「格子ゲージ理論」(日本物理学会)
5. 新編 物理学論文選集 84 「ゲージ理論II」(日本物理学会)

[履修上の注意]
大学院講義「場の量子論IIA」の単位をすでに取得していれば履修不可
総合文化研究科広域科学専攻相関基礎科学系の「場の量子論II」との合併講義である.場所は駒場キャンパス16号館827教室,時間は10:40〜12:10にて行われる.

天体素粒子物理学特論II 603-0096 大学院授業 瀧田,早戸,大橋
[講義題目]
天体素粒子物理学

[授業の目標・概要]
素粒子によって宇宙を詳細に観測する実験的な研究の解説をオムニバスで行う。

瀧田:地球に飛来する宇宙線の起源・加速機構・伝播について講義する。特に、高・超高エネルギー宇宙線、最高エネルギー宇宙線の観測結果に関する講義を行う。

大橋:重力波の観測とそれを用いた天文学について講義する。まず、重力波の検出原理および世界における検出実験の現状を解説し、重力波天文学による解明が期待されているブラックホール誕生などの重力波源について紹介する。

早戸:ニュートリノを用いた天文学、素粒子物理学について講義する。本年は特にニュートリノ振動実験の理解に必要となる、ニュートリノの生成、検出器内でのニュートリノ反応を含む観測方法ならびに、ニュートリノ振動について概説する。

[授業のキーワード]
宇宙線, 重力波, ニュートリノ

[授業の方法]
講義

[成績評価方法]
出席とレポートを総合的に勘案する。

[履修上の注意]
大学院講義「天体素粒子物理学」の単位をすでに取得していれば履修不可

物性物理学 603-0098 大学院授業 加藤岳生
[授業の目標・概要]
物性物理学Iでの講義内容を発展させ、固体の電磁応答および輸送現象を解説する。特に電子間相互作用の取り扱いについて詳細に議論し、素励起やプラズマ振動といった物性物理学の基本事項を解説する。

[授業の方法]
板書を基本とし、適時印刷資料を用いる

[成績評価方法]
授業中に行う小テストおよび期末レポートによる。

[履修上の注意]
大学院講義「物性物理学IA」の単位をすでに取得していれば履修不可

プラズマ物理学特論II 603-0100 大学院授業 寺澤敏夫
[講義題目]
プラズマ物理学特論

[授業の目標・概要]
高エネルギー天体現象を理解するために必要なプラズマ物理学・電磁流体力学の基礎について講述し、いくつかの応用例についても触れる。プラズマ物理学についての基礎知識を前提とするので、未習者は「プラズマ物理学」(夏学期)を履修することを強く勧める。

[授業のキーワード]
astrophysical plasmas, nonthermal phenomena, shock waves, cosmic rays, particle acceleration, radiation

[授業計画]
予定する講義項目は以下の通り(順番は入れ替えることがある):
○無衝突プラズマ中での集団相互作用(線型・非線形)の基礎
  粒子的記述と流体的記述
  プラズマ中の波動(静電波、電磁波)
  電子、イオンの応答
○天体プラズマにおける物理素過程
  衝撃波の形成と粒子加速
  磁気リコネクション
  速度勾配不安定性と磁気回転不安定性
  ダイナモ過程
  高エネルギー粒子からの電磁放射

[授業の方法]
講義

[成績評価方法]
講義中の演習課題回答、提出された宿題・レポートにより総合的に判定する。

[参考書]
Plasma Physics for Astrophysics, R.M. Kulsrud, Princeton Univ. Press, 2005.
Theoretical Astrophysics, T. Padmanabhan, Cambridge Univ. Press, 2000.
Radiative Processes in Astrophysics, G.B. Rybicki and A. P. Lightman, John Wiley & Sons, 1979.
「ブラックホールと高エネルギー現象」シリーズ現代の天文学8、日本評論社2007.
「天体物理学の基礎II」シリーズ現代の天文学12、第2章プラズマと電磁流体、第3章放射の生成と散乱過程の基礎、日本評論社2008.

[関連ホームページ]
http://www.icrr.u-tokyo.ac.jp/~terasawa/index.html

宇宙物理学特論I 603-0101 大学院授業 満田,山崎典,高橋
[講義題目]
宇宙物理学特論I

[授業の目標・概要]
最新のX線ガンマ線観測衛星やそれらによる結果を踏まえ、星間空間・超新星・超新星残骸、銀河・銀河団などの高温ガス、中性子星・ブラックホールを含む近接連星や活動銀河核などにおける質量降着現象、さらに、宇宙における粒子加速、宇宙の構造形成と高エネルギー宇宙の形成などの話題を紹介する。
同時に、これらの現象の理解の基礎となる素過程や観測装置も学ぶ。

[授業のキーワード]
高エネルギー宇宙物理学

[授業計画]
3人の教員が分担して講義を行う

[授業の方法]
講義形式

[成績評価方法]
「レポート」で行う。

場の量子論I 603-0103 大学院授業 諸井健夫
[講義題目]
場の量子論I

[授業の目標・概要]
本講義の目標は、相対論的場の量子論の基礎について理解することである。相対論的場の量子論は、現在では物理学の基礎的考えであり、素粒子物理学のみならず、多くの分野で用いられている。

[授業のキーワード]
quantum field theory, Klein-Gordon equation, Dirac equation, field quantization

[授業計画]
講義の前半では、相対論化された波動方程式(Klein-Gordon 方程式、Dirac 方程式等)を導入し、その解の性質について説明する。これらの理論には負エネルギー解が存在し、このままでは完全な理論とは言えない。講義の後半では、上記の困難が場を量子化することにより解決されることを見る。具体的な講義内容は下に示した通りである。

In the first part of this lecture, I introduce relativistic field equations (Klein-Gordon equation, Dirac equation), and discuss the properties of their solutions. Then, in the second half, I discuss how the fields can be quantized by using canonical quantization method. The outline of the lecture is as follows:

機Relativistic Quantum Mechanics
1.Relativistic Quantum Theory
2.Klein-Gordon Equation and its Solutions
2.Dirac Equation and its Solutions
供Quantum Field Theory
1.Canonical Quantization of Fields
2.Real Spinless Fields
3.Dirac Fields
4.Electromagnetic Fields

[授業の方法]
黒板を使った講義形式

[成績評価方法]
レポートおよび試験による

[参考書]
J.D. Bjorken and S.D. Drell "Relativistic Quantum Mechanics" (Mcgraw-Hill)
J.D. Bjorken and S.D. Drell "Relativistic Quantum Theory" (Mcgraw-Hill)
M.E. Peskin and D.V. Schroeder, "An Introduction To Quantum Field Theory" (Westview Press)

[履修上の注意]
大学院講義「場の量子論IB」または学部で「場の量子論I」の単位をすでに取得していれば履修不可

場の量子論II 603-0104 大学院授業 筒井 泉
[講義題目]
場の量子論 II

[授業の目標・概要]
相互作用のある場合の場の量子論の基礎を習得することを目標とする。講義内容は以下の項目を予定している。

1.相互作用と摂動論
2.ファインマン則
3.量子電磁力学
4.経路積分の方法
5.繰り込みの基礎

[授業のキーワード]
相互作用, 摂動論, ファインマン則, 量子電磁力学, 経路積分, 繰り込み

[授業の方法]
講義形式で、板書を中心に行う

[成績評価方法]
小テストと期末レポートで行う

[履修上の注意]
大学院講義「場の量子論IA」の単位をすでに取得していれば履修不可

物理学特別講義AI 603-1010 大学院授業 Anthony LEGGETT
講義題目]
エキゾティック超伝導 Exotic Superconductivity

[授業の目標・概要]
These lectures are intended as an introduction to those superconductors, all discovered since 1970s, which appear not to be well described by the traditional BCS theory; while the main emphasis will be on the most spectacular member of this class, the cuprates, I shall also discuss more briefly the heavy-fermion, organic, ruthenate and ferropnictide superconductors as well as superfluid 3He for reference. I shall try to provide a general framework for the analysis of "all-electronic" superconductivity (i.e. that in which the Cooper pairing is induced wholly or mainly by the repulsive Coulomb interaction). The level of the course is appropriate to beginning or more senior graduate students.

[授業のキーワード]
超伝導, BCS理論

[授業の方法]
スライド, 配付資料, 板書

[授業計画]
5月17日(火)から6月10日(金)の間、毎週火、木、金曜の第1限に実施する。 毎週金曜日の第1限と、6月7日(火)、9日(木)、10日(金)の第3限は、希望する学生が自身の研究内容を英語で発表し、それについて英語で質疑応答するinteractive授業とする。

[成績評価方法]
レポート

[参考書]
Quantum Liquids –Bose condensation and Cooper paring in condensed-matter systems (Oxford University Press, New York, 2006)

[関連ホームページ]
http://physics.illinois.edu/People/profile.asp?aleggett

[その他]
英語のみで講義を行う。 講義ノートを出版するための学生ボランティアを募集予定。

[連絡先]
臨時教員室:理学部1号館中央棟434号室
      03-5841-1021 (内21021)
      aleggett@illinois.edu


物理学特別講義AX 603-1151 大学院授業 富重 道雄
[講義題目]
タンパク質分子機械の構造と機能

[授業の目標・概要]
タンパク質は生体内における秩序構造形成に関わる機能素子である。タンパク質の様々な機能を可能にする構造上の特徴や機能発現の仕組み(特にエネルギー変換機構)について解説する。

[授業の方法]
講義形式

[成績評価方法]
出席とレポート(主にレポートの内容)


物理学特別講義AXI 603-1161 大学院授業 斎藤健治
[講義題目]
超伝導高周波空洞とその応用

[授業の目標・概要]
超伝導高周波加速空洞は、今や加速器の中核技術である。この技術は電磁気学・高周波技術・材料科学・化学・表面科学・真空・極低温技術など広範囲な知識を必要とする融合分野である。一般にはあまり知られないが非常に面白い分野である。この特別講義では、超伝導空洞の設計法,製作法、空洞性能評価法、超伝導材料について等、超伝導空洞の基礎を講義する。その上で、この超伝導空洞の将来応用を紹介し、その開発の現状や技術課題について議論する。この講義は超伝導に特化し、加速器一般についての講義ではない。加速器一般については、本年下期に講義を予定している。

[授業のキーワード]
加速器,超伝導,ニオブ,クライオジェニクス,ILC,表面処理

[授業計画]
[1] 超伝導高周波空洞の基礎知識
超伝導空洞の理解に必要な超伝導について講義する。そして超伝導空洞製作のために必要な高純度ニオブ材の工業的生産、超伝導空洞の設計、製作、表面処理法について説明する。また、超伝導空洞の性能制限の理解とその対策に触れる。超伝導空洞を運転するために必要なクライオジェニックスや空洞の機械振動制御についても講義する。
[2] 超伝導空洞の今後の応用
今後の応用としてILC、X線自由電子レーザー、エネルギー回収型Linac(ERL)、放射性核破砕消滅処理など基礎科学から原子力工学まで、21世紀の量子ビーム科学への応用がとりあげられる。そのなかでもILCの高電界超伝導空洞の開発が詳しく紹介されるであろう。

[成績評価方法]
設定した演習3問に対するレポート回答(40%),
講義の出席状況(40%),
講義最終日のアンケートの回答(20%).

[参考書]
1)RF SUPERCONDUCTIVITY FOR ACCELERATORS
  HASAN PADAMSEE, JENS KNOBLOCH, TOM HAYS,
  A Wiley-Interscience Publication, 1998.

2)RF Superconductivity -Science, Technology, and Applications-
  Hasan Padamsee
  WILEY-VCH Verlag GmbH & Co. KgaA, 2009

[その他]
講義最終日には、東京都・江東区・東砂にある超伝導空洞用高純度ニオブ材の製造メーカー:(株)東京電解の見学を予定している。希望者は、講義初日に申し出ること。

物理学特別講義AXII 603-1171 大学院授業 山本智
[講義題目]
星間物質の科学

[授業の目標・概要]
星間雲、星形成から惑星系形成に至る物質進化について、
その基礎となる物理、化学過程を重点的に概説する。

[授業計画]
講義形式

[授業の方法]
出席・レポート

物理学特別講義AXIII 603-1181 大学院授業 佐々木 豊
[講義題目]
核磁気共鳴法による量子液体・固体研究

[授業の目標・概要]
代表的な量子凝縮系物質である超流動ヘリウム3、核整列固体ヘリウム3などを例にとりその秩序構造や励起状態とその検出方法、とりわけ核磁気共鳴(NMR)応答について講義する。

[授業計画]
1)超流動ヘリウム3の秩序変数
2)超流動ヘリウム3の帯磁率
3)超流動ヘリウム3の核磁化運動の有効ハミルトニアン
4)超流動ヘリウム3のスピン動力学方程式とその解
5)超流動ヘリウム3のテクスチャーと核磁気共鳴
6)超流動ヘリウム3とKibble-Zurek機構による欠陥生成
7)超流動ヘリウム3の核磁気共鳴とマクロなコヒーレンス
8)核整列固体ヘリウム3と核磁気共鳴

[授業の方法]
講義形式:板書、印刷資料、プロジェクターによる資料などを適宜用いる。

[成績評価方法]
成績評価は出席状況とレポート提出により行う。

[参考書]
Nuclear Magnetism: Order and Disorder, A. Abragam and M. Goldman, Oxford University Press (1982)
The Superfluid Phases of Helium 3, D. Vollhardt and P. Wölfle, Taylor and Francis Ltd. (1990)
Helium Three, E. R. Dobbs, Oxford University Press (2000)


物理学特別講義AXV 603-1213 大学院授業 深沢 泰司
[講義題目]
フェルミガンマ線宇宙望遠鏡による高エネルギー宇宙物理

[授業の目標・概要]
フェルミガンマ線宇宙望遠鏡は2008年に打ち上げられた宇宙ガンマ線観測衛星であり、従来に比べて数10倍の感度を持ち、打ち上げ後2年の間に重要な結果を多く出してきた。本講義では、これらの成果を高エネルギー宇宙物理の基礎的な考え方とともに紹介する。

[授業の方法]
講義形式

[成績評価方法]
出席およびレポート

物理学特別講義BVI 603-1252 大学院授業 PETROSKY Yamakoshi,ORDONEZ, Gonzalo
[講義題目]
リウビル演算子の量子力学と時間反転対称性の破れ

[授業の目標・概要]
Prigogine(ノーベル賞受賞者)と我々が開発したリウビル演算子の複素固有値表現を紹介する。物理学の基本問題の一つである時間の対称性の破れが、リウビル演算子の共鳴状態として記述される。応用例として、量子力学、特にナノサイエンスにおける例を幾つか紹介する。

[授業の方法]
講義

[成績評価方法]
レポート

物理学特別講義BVIII 603-1272 大学院授業 国広悌二
[講義題目]
くりこみ群法とその相対論的流体方程式導出への応用

[授業の目標・概要]
安定多様体構成法としてのくりこみ群法の理解とそれに基く相対論的系における非平衡物理の理解

[授業のキーワード]
くりこみ群法,安定多様体,力学系の縮約,相対論的ボルツマン方程式,散逸を含む相対論的流体方程式

[参考書]
「原子核研究 Vol.54 Supplement 3」, p.37

物理学特別講義BXX 603-1500 大学院授業 青木秀夫
[講義題目]
グラフェンの物理

[授業の目標・概要]
物性物理学の最近のハイライトの一つであるグラフェン(炭素原子一層からなる蜂の巣格子)を基礎物理学的に解説する。特にグラフェンの電子状態は、質量がゼロのディラック粒子の分散をもつ等、特異であるが、何がどのように特異なのかを、トポロジカルな性質やカイラル対称性の観点から見る。

[授業のキーワード]
グラフェン、トポロジー、量子ホール効果

[授業の方法]
講義形式

[成績評価方法]
レポート

[参考書]
初貝安弘、青木秀夫:グラフェンの物理、「固体物理」45, 457 (2010);
青木秀夫:ディラック電子、「固体物理」 45, 753 (2010)。

[関連ホームページ]
http://cms.phys.s.u-tokyo.ac.jp/lecture.html

G-COE理工連携特別講義I 603-1501 大学院授業 藤森 淳,鹿野田一司
[講義題目]
Frontiers of Condensed Matter Physics I

[授業の目標・概要]
 現代の物性物理学における先端分野,重要な問題に関して,各分野をリードするコロンビア大学の教員が,サマースクールのような形式で基礎から最先端の研究までわかりやすく講義する.コロンビア大で9月に行われた講義を高画質・高音質で録画し放映するが,東大側の担当教員も参加し,補足説明をしたり質問を受けたしながら進行する.コロンビア大教員への直接の質問も受け付ける.

[授業のキーワード]
グラフェン、ナノチューブ,量子ホール効果,高速分光,エキゾチック超伝導,ミューオン・スピン回転

[授業計画]
○10月17日(月)4,5限,18日(火)5限
Philip Kim “Low dimensional carbon systems (graphene, carbon nano-tube)”
担当教員:藤森
○10月24 日(月)4, 5限
Tony Heinz “Laser and optical studies of grapheme” 担当教員:青木
○11月7日(月)4, 5限,8日(火)5限
Yasutomo Uemura “Phenomenology and MuSR studies of unconventional
superconductors” 
担当教員:内田

続くG-COE理工連携特別講義II, III(Frontiers of Condensed Matter PhysicsII, III)では,STM,X線・中性子散乱,動的平均場理論,アンダーソン局在,ソフト・マター等の講義が予定されている.

[授業の方法]
講義

[成績評価方法]
出席,レポート(コロンビア大教員により採点)

[関連ホームページ]
http://wyvern.phys.s.u-tokyo.ac.jp/f/lecture/columbia-todai/index_en.htm

G-COE理工連携特別講義II 603-1502 大学院授業 藤森 淳,鹿野田一司
[講義題目]
Frontiers of Condensed Matter Physics II

[授業の目標・概要]
現代の物性物理学における先端分野,重要な問題に関して,各分野をリードするコロンビア大学の教員が,サマースクールのような形式で基礎から最先端の研究までわかりやすく講義する.コロンビア大で10,11月に行われた講義を高画質・高音質で録画し放映するが,東大側の担当教員も参加し,補足説明をしたり質問を受けたしながら進行する.コロンビア大教員への直接の質問も受け付ける.

[授業のキーワード]
グラフェン,強相関系,STM,動的平均場理論, 電子励起,ソフトマター

[授業計画]
○11月14日(月)4, 5限,22日(火)5限
Paul Chaikin (New York University): “Soft Condensed Matter” 担当教員:宮下
○11月28日(月)4,5限,29日(火)5限
Abhay Pasupathy “Tunneling, scanning, and transport studies of correlated electron systems and graphene” 担当教員:福山
○12月5 日(月)4, 5限
Andy Millis: “Dynamical Mean Field Theory/Quantum phase transitions” 担当教員:小形
○12月6 日(火)5限
John Hill (Brookhaven National Laboratory): “Inelastic X-ray scattering” 担当教員:藤森

続くG-COE理工連携特別講義III(Frontiers of Condensed Matter Physics III)では,アンダーソン局在,トポロジカル絶縁体,量子ホール系,中性子散乱,単分子伝導,フラストレーション等の講義が予定されている.
[授業の方法]
講義

[成績評価方法]
出席,レポート(コロンビア大教員により採点)

[関連ホームページ]
http://wyvern.phys.s.u-tokyo.ac.jp/f/lecture/columbia-todai/index_en.htm


G-COE理工連携特別講義III 603-1503 大学院授業 藤森 淳,鹿野田一司
[講義題目]
Frontiers of Condensed Matter Physics III

[授業の目標・概要]
現代の物性物理学における先端分野,重要な問題に関して,各分野をリードするコロ
ンビア大学の教員が,サマースクールのような形式で基礎から最先端の研究までわか
りやすく講義する.コロンビア大で10月から12月にかけて行われた講義を高画質・高
音質で録画し放映するが,東大側の担当教員も参加し,補足説明をし質問を受けたし
ながら進行する.コロンビア大教員への直接の質問も受け付ける.
○ 12月12 日(月)4, 5限
Simon Billinge: “X-ray scattering studies of local correlations” 担当教
員:溝川
○ 12月13日(火)5限
Martin Greven (U of Minnesota): “Neutron scattering studies of cuprates”
担当教員:内田
○ 12月19日(月)4限
Latha Venkataraman: “Single-molecule conductors” 担当教員:鹿野田
○ 12月19日(月)5限
Rich Osgood: "ARPES studies of nano structure systems" 担当教員:鹿野田
○ 1月16日(月)4, 5限
Aron Pinczuk: “Excited states of quantum Hall systems” 担当教員:青木
○ 1月23日(月)4, 5限
Igor Aleiner: “Anderson localization in mesoscopic systems” 担当教員:小形
○ 1月24日(火)5限
Oleg Tchernyshyov (Johns Hopkins U): “Domain wall motion and Skyrmions” 担
当教員:宮下

[授業のキーワード]
X線散乱,中性子散乱,高温超伝導,ARPES,ナノ物質,メゾスコピック系,スカーミ
オン,アンダーソン局在

[授業の方法]
講義

[成績評価方法]
出席,レポート(コロンビア大教員により採点)

[関連ホームページ]
http://wyvern.phys.s.u-tokyo.ac.jp/f/lecture/columbia-todai/index_en.htm