素粒子実験

研究室 研究室HP 研究者紹介
(理学部HP)
研究テーマ
相原・横山研 home01-02 相原 博昭
横山 将志
高エネルギー加速器を持った素粒子物理の実験的研究
駒宮研 home01-02 person 最高エネルギーの加速器を用いた素粒子実験、加速器将来計画の研究
浅井研 home01-02 person 標準理論を超えた新しい素粒子現象の直接探索、
並びに標準理論の精密検証

 

 

高エネルギー物理学・素粒子物理学

高エネルギー物理学・素粒子物理学とは、あらゆる物質の共通かつ最小の構成要素である素粒子と、素粒子の間に働く力の本Fig_water質を研究する学問です。

私たちの身の回りに存在する物質は、すべて原子の集合体です。原子は原子核と電子からできており、原子核は陽子、中性子からできています。さらに、陽子や中性子は、クォークが3つ集まってできています。

このように、原子や原子核、陽子などは、さらに小さな構成要素に分割することができますが、電子やクォーク、また光の粒子である光子などは、それ以上小さな構成要素に分割することはできない、と考えられています。このような、物質を構成する最小の要素を素粒子と呼びます。それに対し、原子や陽子など、分割できる要素は複合粒子と呼んでいます。

ここで、これらの素粒子は、物質を構成する粒子と、粒子の間に働く力のもとになっている粒子(力を媒介する粒子)、の2つのグループに分類されます。物質を構成する粒子は、レプトン(電子の仲間)とクォークです。また、力を媒介する粒子は、ゲージ粒子とよばれています。自然界には、重力、電磁気力、強い力、弱い力の4種類の力があって、それぞれの力を媒介するゲージ粒子がある、と考えられています。

現在のところ、物質を構成する粒子:レプトンとクォークがそれぞれ6種類(2種類ずつ3世代)、それに、力を媒介する粒子:光子、グルーオン、W±、Z0、というこれらの一群の粒子が、自然界の基本粒子であると考えられています。

物質を構成する粒子:クォークとレプトン
世代 1 2 3 電荷
レプトン 電子ニュートリノ
電子
ミューニュートリノ
ミュオン
タウニュートリノ
タウ粒子
0
-e
クォーク アップ
ダウン
チャーム
ストレンジ
トップ
ボトム

2/3e
-1/3e

 

力を媒介する粒子:ゲージ粒子
力(相互作用) 力の強さ 力の作用半径 ゲージ粒子
万有引力
電磁気力
強 い 力
弱 い 力
10-40
10-2
1
10-5


10-13cm
10-16cm
重力子(グラビトン)
光 子(フォトン)
グルーオン
±、Z0

 

 このような極微な基本粒子の世界を探るためには、一般に、粒子に大きなエネルギーを与える必要があります。なぜなら、原子のような複合粒子は、低いエネルギーではその複合粒子全体としての性質があらわれ、構成する素粒子の性質は粒子の内部に隠蔽されてしまうからです。粒子に高いエネルギーを与えることにより、複合粒子を破壊し、その構成粒子である素粒子の性質をそのまま観測することができるのです。これが、素粒子物理学の実験的研究を、高エネルギー物理学と呼んでいるゆえんです。

粒子に高いエネルギーを与えるためには、様々な方法がありますが、もっとも直接的なものは、加速器を使って粒子を加速する方法です。探究する対象が微細になればなるほど、高いエネルギーの粒子が必要になります。したがって、それらを加速したり測定したりする装置(加速器や測定器)は、とても大がかりなものになります。また、加速器を使わない方法として、宇宙空間から飛んでくる高速の粒子を観測したり、原子炉から放出される粒子を観測する実験方法、などもあります。

 このようにして、私たちはすべての素粒子を発見し、その素粒子の間に働く相互作用を完全に理解することによって、この世界を支配する根本法則を明らかにすることを目指しています。この究極の目標を目指して、世界中で様々な実験研究がおこなわれています。

 

物質の質量の起源は何か : ヒッグス粒子の探索
宇宙はどうして、今のような姿になったのか(物質ばかりで構成され、反物質がほとんどないのはなぜか) : CP非保存 ニュートリノの研究
全てを説明できる理論はどのようなものだろうか : 統一理論の研究
今までの理論をひっくり返す新しい現象はないだろうか : 新現象の探索 
 
 それでは、物理学専攻の素粒子実験研究室が、実際に参加している高エネルギー加速器実験をいくつか紹介します。
  •  Belle実験

茨城県つくば市にある、高エネルギー加速器研究機構(KEK)にある、Bファクトリーとよばれる周長3kmの加速器を使った実験です。電子・陽電子ビームを円形加速器で衝突させて、大量のB粒子・反B粒子対を生成します。B粒子と反B粒子の性質のわずかな違い、つまり物質と反物質の違い、を非常に精密に測定し、CP非保存の研究を行っています。

Belle実験ホームページ

  •  LHC(ATLAS)実験

2007年から、欧州CERN原子核研究所において、周長26kmの巨大陽子加速器を使って、世界最高のエネルギーでの実験が開始されます。非常に高いエネルギー領域で、ひきおこされる素粒子現象を探索することにより、ヒッグス粒子の発見や、これまでの理論を覆すような新現象の発見を目指す研究です。

ATLAS実験ホームページ

  •  ILC実験計画

欧州・北米・アジア諸国との国際共同による、巨大実験計画です。電子・陽電子線形加速器で、世界最高エネルギー領域の素粒子実験を行うことを目的としています。電子と陽電子を高エネルギーで衝突させ、宇宙のビッグバン直後に匹敵する超高エネルギー状態を実験室に実現し、素粒子の基本法則の解明を通じて、宇宙創成の謎に挑みます。

ILC実験ホームページ

  •  T2Kニュートリノ振動実験

1998年、ニュートリノ振動とよばれる現象が発見されました。これは、ニュートリノに質量があることを示す、重要な発見です。ニュートリノの性質をさらに詳しく調べるため、2009年から、T2K実験がはじまります。この実験では、茨城県東海村に建設が進む大強度陽子加速器施設(J-PARC)の、高強度陽子ビームから、大強度ニュートリノビームを作り、295km離れた岐阜県神岡町の地下1000メートルに位置する東京大学宇宙線研究所5万トン水チェレンコフ検出器、スーパーカミオカンデに打ち込み、ニュートリノ事象をとらえます。

T2K実験ホームページ

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