青木 孝道 〈あおき たかみち〉

 

青木孝道様1

 

 
株式会社 日立製作所 研究開発グループ 主任研究員
2005年:理学部物理学科卒業
2007年:理学系研究科物理学専攻修士課程修了
加速器科学(理化学研究所仁科加速器研究センター 旧 後藤研究室)
2007年:株式会社日立製作所入社
2018年:日立製作所所属のまま社会人博士として理学系研究科物理学専攻博士課程(櫻井研究室)に入学
2022年:博士(理学)取得し現職に至る
 
物理学科・専攻を選んだ理由

 高校時代から、自然現象を数式で精緻に記述できる物理学に強く惹かれていました。
物理そのものへの純粋な興味と探究心が、物理学科への進学を後押ししたのだと思います。

キャリア形成の際に物理学的考え方、手法などが役立った点

 現在は企業にて粒子線がん治療装置用の加速器や電子顕微鏡など荷電粒子関連製品の研究開発に従事しています。
加速器は物理学の発展とともに進化してきた装置であり、私の業務と物理学との親和性は非常に高いです。
特殊相対論やマクスウェル方程式を用いた解析は日常的に行っており、理論的な知識だけでなく、実機の挙動を物理的に読み解く洞察力と理解力が求められます。
社会人として研究開発に携わる中で、改めて物理学の基礎が重要であることを実感し、博士課程に進学して学術的な探究を深めました。

学部・専攻在籍時の同級生同士や教員との交流の場について、思い出など

 加速器科学を専攻する学生は少なく、修士の時の研究室では学生は私一人という状況でしたが、理研ではユーザと加速器開発者の間の垣根が低く活発な交流がありました。
懇談の場では、研究の話だけでなく、進路や将来についても多くの示唆を得ることができました。
社会人になってからも、学会などで当時の先生方や知人と再会し、加速器や核物理の話題で盛り上がることが多く、
大学院時代のつながりが今も研究活動の支えになっています。

在校生に対するメッセージ

 進路選択では、「自分が最も楽しめそうなこと」を軸に決めてきました。
その結果、企業の研究開発の現場で充実した日々を送ることができています。
社会人になってから博士課程に進学するという挑戦も、自分の興味と探究心に従った選択でした。
物理学は奥深く、時に難解ですが、好奇心を持って向き合えば、必ず得るものがあります。
ぜひ、自分の興味を大切にし、柔軟な視点で学び続けてください。
メーカへの就職に関心がある方は、ぜひご相談ください(連絡先は就職支援室にお問い合わせください)。

 

 ○  卒業生の声

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