宇田川 将文 〈 うだがわ まさふみ 〉
学習院大学 理学部物理学科
准教授
2015年4月から学習院大学理学部物理学科に研究室を構えております、宇田川将文と申します。
東大理学部は2002年3月に卒業しました。学部在籍時には同級生とFeynman Hibbsの教科書などの自主ゼミをしたことを懐かしく思い出します。それから15年近く経ちますが、物理のコミュニティーは狭く、思いがけず長い付き合いになった同級生も数多くいます。
大学院では小形先生の研究室で超伝導や磁性体など、物性理論の研究に携わっておりました。この分野を専攻したきっかけは、時に複雑な構造を持つ物質の性質がフェルミ面などの基本的な概念によりシンプルに説明出来る面に惹かれたためです。素粒子にも興味はあったのですが、「この世の中は10次元だと思っていたのですが、どうやら11らしいのです」と素粒子の先生がお話になるのを聞き、高尚さに胸を打たれつつも、もう少し自分の手に取れるような世界のものを、と考えて物性を専攻することにしました。
物理学者としてキャリアを積む中で、大事だと実感しているのは周りに同調しすぎない事です。いつの時も、ある特定の研究テーマを特定のやり方で研究するのが正しい、という雰囲気があります。そのような雰囲気を積極的に作り出す人たちがいます。しかしながら、ある程度キャリアを積んで、周りの風景が見えるようになったら、その時までには自分の中に形作られているはずの自分の目指すべきものを自信を持って、ぜひ追求して行って下さい。