2026年度 前期 物理学教室コロキウム
コロキウム・談話会 2026/02/13
第158回 コロキウム
【日時】2026年4月17日(金)16:00~17:30
【講演者】石崎 章仁 氏 (東京大学大学院理学系研究科化学専攻)
【場 所】小柴ホール
【タイトル】 量子生物物理化学のこれまでとこれから
April 17, 16:00-17:30
Department colloquium by Ishizaki Akihito.
(Department of Chemistry,The University of Tokyo.)
いかなる量⼦系も純粋な孤⽴系とは⾒なし得ず、常に何らかの外界と接触することで、ときに量⼦性が破壊され、ときには量⼦性が頑健に保持されます。殊に複雑な分⼦系においては量⼦性の維持と崩壊のバランスが化学反応の様態に大きな影響を及ぼし得るため、「多⾃由度ゆえに生じる揺らぎや摩擦に曝されながら量⼦効果はどのような影響を受けるのか」を理解することは物理化学/化学物理において重要な課題となります。
光合成初期過程における動的過程は、そのような量⼦散逸系の顕著な例の一つといえます。フェムト秒レーザーを⽤いた分光計測技術の成熟により、タンパク質の運動による⾊素の電⼦状態の動的揺らぎや複数の⾊素に広がる電⼦励起の量⼦⼒学的⾮局在化状態、タンパク質内部でのエネルギーの流れなど、ダイナミクスや量⼦⼒学的現象が詳細に観測できるようになりました。観測された生体分子系における量子系に対する揺動散逸現象は欧米の量子物理学者を強く刺激し、量子生物物理という新たな学際領域が隆盛する契機の一つとなりました。
本講演では、光合成タンパク質が内包⾊素分⼦の電⼦状態に与える動的揺らぎの大きさ・時間スケール・⾮マルコフ性に着⽬することで、⽣体分⼦系における量⼦現象を制御する動的揺らぎの役割の解析、また、分子物質系における動的機能探求への展開を議論したく思います。また、解決したくて解決できない幾つかの問題について物理学教室の皆様のご意見を伺いたく、話題提供できればと思います。さらに、現在進めている⾮古典的光を利⽤した時間分解分光計測の理論研究の試みについて紹介いたします。
第159回 コロキウム
【日 時】2026年5月8日(金)16:00~17:30
【講演者】有田 亮太郎 氏 (東京大学大学院理学系研究科物理学専攻)
【場 所】小柴ホール
【タイトル】理論計算が拓く室温超伝導への道May 8, 16:00-17:30
Department colloquium by Arita Ryotaro.
(Department of Physics,The University of Tokyo.)
超伝導現象は物性物理学におけるもっとも興味深い現象の一つである。特に、高い転移温度を示す超伝導体の探索は、基礎学理および工学的応用の双方の観点から重要な課題である。20世紀初頭のKamerlingh Onnesによる超伝導現象の発見以来、新超伝導体の多くは、実験における偶然の発見により見出されてきたが、近年では計算物質科学による物質探索へと大きく転換しつつある。本講演では、こうした研究の進展と最新の研究成果を紹介し、今後の展望について議論する。
第160回 コロキウム
【日 時】2026年7月3日(金)16:00~17:30
【講演者】吉野 元 氏 (大阪大学 D3センター)
【場 所】小柴ホール
【タイトル】深層学習の統計力学:初めの一歩とその先July 3, 16:00-17:30
Department colloquium by Yoshino Hajime.
(D3 Center,The University of Osaka)
第161回 コロキウム
【日時】2026年7月24日(金)16:00~17:30
【講演者】藤井 啓祐 氏 (京都大学大学院情報学研究科)
【場 所】小柴ホール
【タイトル】量子アルゴリズムの視点から捉える量子カオスと量子優位性の検出July 24, 16:00-17:30
Department colloquium by Fujii Keisuke.
(Graduate School of Informatics,Kyoto University.)


