液晶中に生じるトポロジカルな「ひも」の3次元的な動きを捉えることに成功

研究成果 2022/10/07

東京大学大学院理学系研究科の図司陽平大学院生と竹内一将准教授は、静止した欠陥への蛍光色素の集積現象を運動観察に応用できることを見出し、トポロジカル欠陥の動きを3次元で捉えることに成功した。特に、トポロジカル欠陥同士がぶつかってつなぎ替わる再結合と呼ばれる現象に着目し、運動の様子を解析した。トポロジカル欠陥は液晶以外の研究領域にも広く現れる概念であり、今回の研究は分野を超えてトポロジカル欠陥の理解を深めることにつながると期待される。

本研究で報告した液晶トポロジカル欠陥の3次元運動の可視化技術は、これまで2次元観測が中心であった欠陥研究にとって重要なツールとなると期待される。また、トポロジカル欠陥は、液晶だけにとどまらず、液体ヘリウム中の量子渦や宇宙論における宇宙ひもなど物理の広い領域に現れ重要な役割を果たしている。近年では生物系でも、細長い細胞や微生物などの集団的ふるまいが、液晶の理論やトポロジカル欠陥の概念で理解されるようになってきており、本研究で得られたトポロジカル欠陥の挙動に関する成果はトポロジカル欠陥がかかわる広い学問領域に貢献する可能性がある。

詳細については、以下をご参照ください。

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