追悼:小柴昌俊 特別栄誉教授

小柴昌俊 特別栄誉教授

小柴昌俊先生ご逝去の報に接して

東京大学特別栄誉教授の小柴昌俊先生が、11月12日夜、ご逝去されました。謹んで哀悼の意を表します。
物理学科の卒業生である小柴先生は、1963年から1987年まで物理学教室で教鞭をとられ、その間にカミオカンデの建設と超新星爆発からのニュートリノ観測により、ニュートリノ天文学の礎を築かれました。また教育者としてもたくさんの優れた後進を育てられ、そのことが一人の研究者だけではなし得ない、多くの成果につながりました。
2002年にノーベル物理学賞を受賞されましたが、その研究は何の役に立つのかと尋ねられた際、何の役にも立ちませんと胸を張って答えられたのが、大変印象的でした。一見逆説的ですが、自然界の不思議を解明し真理を探求する、最も純粋な物理学者の姿勢を示すことで、基礎研究の大切さをうったえられたのだと思います。
昔、不出来な学生実験のレポートを提出するため、少々おっかなくてドキドキしながら先生の研究室にうかがったことがありますが、今思えばそれはカミオカンデが完成した年のことでした。その頃のお元気な先生のお姿に想いを馳せつつ、心よりご冥福をお祈りいたします。

2020年11月13日
物理学専攻長・学科長
常行真司

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