須藤 靖 教授 最終講義のお知らせ(3月7日)

コロキウム・談話会 2024/01/15

演  題: 宇宙する人生

日  時: 2024年3月7日(木) 13:00~14:30

会  場: 小柴ホール(理学部1号館)およびオンライン

YouTube配信(同時開催):https://www.youtube.com/UTokyoScience

 物理学の中でも、直接観測可能な巨視的世界の振る舞いに興味をもった私は、1980年代後半から2000年代前半まで、主として観測的宇宙論に取り組みました。COBE、WMAP、そしてSDSSによって以前は想像もできなかった高精度の統計的観測データが登場し、いわゆる精密宇宙論の黎明期に研究できたのは幸運だったと思います。
 その後は、すばる望遠鏡が主導するHSCサーベイの立ち上げに関わりつつも、自分自身の興味は宇宙論から太陽系外惑星に移り、特に主星自転軸と惑星公転軸のなす角度の分布の推定を通じて、惑星系の初期条件とその後の重力進化を探る研究、及び惑星表層マッピングを通じて生命の兆候を検出する方法論の開拓に挑戦しました。そこで学んだ惑星系の少数多体系力学を通じて、ここ数年は、連星ブラックホールの検出を念頭においた重力3体問題を研究しています。
 自分が取り組んできた研究テーマに人が群がりはじめると、すぐに別のテーマに移りたくなる天邪鬼の私でも、楽しみながらそれなりに研究を続けて来られたのは、優れた大学院生と共同研究者に恵まれたおかげです。その経験を通じて、狭い意味の研究にとどまらず、自分が知らなかった価値観や文化を学ぶこともできました。40年間にわたる研究人生を振り返りつつ、宇宙越しに未知の世界を知る醍醐味を実感させてくれた皆さんに心から感謝させていただきます。

■当日の注意
・当日体調不良の方は来場をお控えください。
マスク着用と消毒にご協力をお願いします。

 

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