量子の世界に「傷跡」を残す数理モデルを無限に構成する方法を発見

研究成果 2020/05/16

図:量子多体傷跡状態のイメージ。

東京大学大学院理学系研究科博士課程の柴田直幸大学院生、吉岡信行大学院生(研究当時)、および桂法称准教授は、オンサーガー代数と呼ばれる数学的構造を応用して、従来報告されてきたものとは異なる機構で量子多体傷跡状態が生じる模型が構成可能であることを示しました。従来の量子多体傷跡状態の模型は並進対称性と呼ばれる構造を有する乱れのない模型が主流でしたが、本研究ではある種の乱れに対しても安定な量子多体傷跡状態を世界で初めて厳密に示しました。

この研究により、今後の量子多体傷跡状態や熱平衡化に関する研究について新たな方向性が開拓され、それらの分野のさらなる発展につながることが期待されます。

詳細については、以下をご参照ください。

関連リンク : 2020年度 物性理論(A3)
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