人工知能を利用して磁石の磁気パラメータの推定に成功

研究成果 2021/01/29

 社会の情報化が急激に進展する中で、省エネルギー・高効率な情報デバイスの開発が大きな課題となっています。新たな材料や物理原理を用いた次世代デバイスの開発には、対象となる材料やデバイスの特性評価が重要な位置を占めています。しかしながら、これまでそのような特性評価には特殊な測定や微細加工が必要であり、大きな労力が割かれてきました。
 今回、東京大学大学院理学系研究科の河口真志 助教、長谷川隼 修士課程2年生、林将光 准教授らのグループは、電気通信大学大学院情報理工学研究科情報・ネットワーク工学専攻の仲谷栄伸 教授、豊田工業大学工学研究科の田辺賢士 准教授、澤拓哉 修士課程2年生、岐阜大学工学部化学・生命工学科の山田啓介 助教らの研究グループと共同で、人工知能を利用して画像から磁石の磁気特性を推定することに世界に先駆けて成功しました。
 この研究では、次世代情報デバイスの材料候補とも考えられているナノ多層膜の磁石について、人工知能分野で大きく発展を遂げている機械学習とコンピュータによるシミュレーションを組み合わせることで、磁石の磁区画像一枚から、それ以上の微細加工や測定を行うことなく、複数の磁気特性を推定しました。この成果によって、革新的な次世代情報デバイス実現に向けた材料研究・開発が大きく加速されることが期待されます。

詳細については、以下をご参照ください。

関連リンク : 2020年度 物性実験(A4)
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