松尾泰 教授 最終講義のお知らせ(3月3日)

コロキウム・談話会 2026/02/05

演  題: 粒子を語らぬ素粒子研究者の時代

日  時: 2026年3月3日(火)16:00~17:30(開場15:30)

会  場: 小柴ホール(理学部1号館)

参加方法:対面のみ 
     ※ご自由にご参加ください。登録は不要です。

 私が大学院に進学した1980年代初頭は,素粒子理論の研究スタイルが大きく変更した時代と一致していた.その当時,素粒子の標準模型はほぼ完成し,それを超える試みが提案されては消えていた時代だった.そんな中起こったのが,ストリング革命と呼ばれる,重力の量子異常と無限大の相殺の発見であった.これにより粒子の代わりにひもを根源物質として扱う超弦理論が一気に脚光をあび,Theory of Everythingともてはやされる時代が到来した.超弦理論の到来は,物理学の解析手法の大幅な変更を要請した.例えば場の量子論のファインマン則はリーマン面のモジュライ積分に置き換えられ,素粒子の分類はカラビ・ヤウ空間のホモロジーに帰着した.素粒子論者が粒子を語らぬ時代の到来であった.
 このストリング革命に対しては現代では様々な意見があると思う.この最終講義では,私自身の生い立ちや私をアカデミアに向かわせた大切な出会いに触れた後,どのように素粒子論を選んだのか,超弦理論のなかにどのように自分を見出しつき合ってきたのかについてお話ししたい.また,大学進学後のほとんどの人生を過ごした東京大学における出会い,学生時代の友人たち,指導してきた学生さんたちなどのことについて感謝の念とともにお話ししたいと思う.

 

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