バクテリアが密集したらガラスになった
研究成果 2024/07/12
東京大学大学院理学系研究科の竹内一将准教授、Hisay Lama特任研究員(研究当時、現:インペリアルカレッジロンドン 博士研究員)らによる研究グループは、均一な培養環境における運動性大腸菌の増殖に伴う運動状態変化の定量的観察に成功し、大腸菌が高密度化によってアモルファス状態(注1)に変化することで集団的に運動が阻害されることを明らかにしました。
本研究では、高密度バクテリア集団の均一培養を可能とする独自開発デバイスを用いることで、活発に泳ぎ回っていた大腸菌集団が、増殖し高密度化することで混雑状態に陥って動けなくなってしまう過程(図1、動画1)を均一環境下で計測することに世界で初めて成功しました。この過程は、高密度のコロイドがコロイドガラスとなる過程と多くの共通点をもつことが明らかとなり、バクテリア集団がガラス化したと言えます。本成果は、バクテリアの個体数変化が集団の運動特性や力学特性を大きく変えることを示すものであり、バイオフィルムをはじめ、高密度バクテリアが関わる社会的課題の解決に向けた一助となる可能性があります。
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